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離婚裁判の判例集

様々な過去の離婚裁判の判例の紹介。一部の離婚案件の判例を紹介すると共に、注目すべき離婚の判例をご紹介します。浮気、不貞行為、暴力(DV)、借金問題など、離婚裁判事例を紹介致します。

1.偽装結婚の後に夫が死去 ( 離婚取り消しの訴え )
夫が重病のために国から生活保護をうけて生活している。妻は、二人の子供を抱え、生活は楽ではなかった。
やむなく妻は働きに出たが、役所の福祉担当者に収入の分を生活保護から差し引くといわれたため夫と相談して離婚届を提出した。
その半年後に夫が急死した為、離婚を取り消す裁判を起こし、最高裁判所まで争ったが、敗訴した。
最高裁判所 1982年

2.念書の効力(財産分与の場合)
夫婦間で離婚をするときに、夫婦の共有名義の土地をいったん夫の名義にして、売却時に売却金の半分を夫婦で分ける旨の念書を作成。
しかし、夫は土地に1,000万円の根抵当権を設定登記して、土地の売却を故意に困難にしたため、妻は金銭による財産分与の申し立てを家庭裁判所に起こした。
裁判所は妻の申し立てを容認し、夫に1,500万円の支払いを命じた。
広島家庭裁判所 1988年

3.法的に認められる離婚原因
夫が交通事故にあい、長期治療(2年)が必要なため、妻が内職などで家計を支えた。
しかし、夫は社会復帰後もまったく真面目に働こうともせず、その後、子宮がん、脳血栓を患った妻を捨てて、夫は家を出てしまった。
妻からの離婚請求に対し、裁判所は「不貞行為」、「悪意の遺棄」を理由に離婚を認めた。
浦和地方裁判所 1985年

4.老人性痴呆症患者の離婚
アルツハイマー病になった妻を8年間介護し続けた夫から、離婚請求の裁判が起こされた。
裁判はアルツハイマー病が強度の精神病にあたるかは懐疑的としながらも、夫の妻に対するこれまでの介護努力や、妻が24時間看護の公的ホームに入所して、生活上の心配はないと判断して離婚を認めた。
長野地方裁判所 1990年

5.浮気夫との別居後に離婚 ( 慰謝料と財産分与 )
結婚38年目の夫婦、夫は23歳年下の女性と浮気(不貞行為)をし、その女性との間に子供をもうけ、その女性と同姓。
夫婦は17年間の別居生活の後、妻は離婚訴訟を起こした。
裁判所は離婚するにあたり、慰謝料として夫に1,000万円、愛人に500万円の支払いを命じた。さらに、70歳の妻の財産分与として、平均余命10年分の生活費に相当する1,200万円を算定した。
東京高等裁判所 1988年

6.離婚合意後の変更
離婚調停において、妻から夫への財産分与47,5000円が支払われた。
そのときの離婚調書には「今後、なにも請求にない」という条項を掲載。
ところが、妻は離婚後に、夫婦が婚姻中に取得した土地の財産分与を請求した。
しかし、裁判所はすでに請求権放棄の合意が成立しているとして、申し立てを却下した。
千葉家庭裁判所松戸支部 1981年

7.妻の権利と慰謝料
夫との間に子供をもうけた、夫の愛人を妻が訴えるが、高裁はこれを棄却した。
夫と愛人の関係はお互いの自然な愛情によるもので、違法性がないというのが理由だった。
しかし、最高裁では、この夫と肉体関係を持った、第三者は、妻の権利を侵害するもの。
妻の被った精神上の苦痛を慰謝料とすべきと妻の訴えを認めた。
最高裁判所 1979年

8.婚約不履行 ( 内縁の不当破棄 )
男性に「妻とは離婚する」といわれ交際を始め、子供をもうけて男性から認知を受けた。
その後、交際(愛人)関係を30年間続けた。
途中、男性は妻との離婚は成立させたが、男性は妻に生活費を支払わなくなって絶縁状態になったことから、婚約不履行ないし、内縁の不当破棄を理由に10億円の損害賠償を請求した。
判決では慰謝料を1,000万円とした。
東京地方裁判所 1991年

9.親権者 ( 逆転判決 )
15歳の娘と12歳の息子をめぐる裁判で、一審判決では父が親権者に指定された。
しかし、二審判決では、監護能力は父も母も大差はないが、父親に暴力を受けていた息子の親権者は母親が適任と判断。
また、高校進学を控えた娘に環境の変化は望ましくなく、娘の父親との同居を望んだため、娘の親権者は父親に決定した。
東京高等裁判所 1988年

10.面接交渉権 ( 子供の意思 )
別居中の父親が、7歳の長女、6歳の次女との面接交渉を申し立てた。
家庭裁判所は、毎月祝休日各2日の午前9時から午後4時まで、および8月中の7日間の面接交渉を認めた。
また、姉妹の方から父親との面接を希望するときにも、母親はそれを妨害してはならないという子供の意思を尊重する審判が下された。
大阪家庭裁判所 1979年

11.養育費と借金
離婚後、母親が父親に9歳、7歳、2歳に子ひとりに3万ずつの養育費を請求した。
家庭裁判所は、父親は失業者で債務(借金)が役1,000万円あるため支払い能力無しと判断し、申し立てを却下した。
しかし、高等裁判所では、父親は自己資産の家屋に居住して生活もでき、債務返済を毎月おこなっている現実を踏まえ、家庭裁判所に審理のやり直しを命じた。
大阪高等裁判所 1994年

12.養育費の減額
協議離婚で、妻が3人の子供の親権者となる。
夫は3年間は月額20万円、それ以降はそれぞれ月10万円、その他、入学などの臨時出費も含めた養育費に合意した。
その後、それぞれ再婚し、子供たちも養子となったため、夫は養育費の免除ないし減額を申し立てた。
そこで家庭裁判所は養育費の減額を認めた。
東京家庭裁判所 1990年


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